愛されることの奇跡、愛することの軌跡

『それを頭では分かっているのに、体の疲れから、私は彼の"求め"をかなり拒否してしまってた』


「先生…」


『だから、私のせいなのよ、あの出来事は。私がきちんと、彼の欲と寂しさを満たしてあげられていれば…玲奈ちゃんが苦しむことはなかったのに』


"ごめんなさい"と私を見て静かに涙を流す先生。


『相楽先生、それは違います』


静かに話を聞いていた健吾さんが口を開いた。


『原口先生の"求め"に応じなかったんじゃなくて、求められてたけど、実は原口先生が相楽先生に求めることが出来ない体だったんじゃないですか？』


「え、どういうこと？」


私は健吾さんの言うことの意味が全く分からなかった。