愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『もちろん、あくまで憶測です。あなたという女性がいながら、なぜあのような行為に至ったのか』


『橋本先生、やめましょう。玲奈ちゃんがいるんですよ』


『いえ、これは玲奈にとって重要なんです。このまま当時の真相を曖昧にすることで、あの時の出来事が玲奈の中で全く消化されない。都合の悪いことを隠蔽するのは、大人の勝手なエゴなんです。彼女の傷は全く癒えないですよ』


「私も、知りたいです」


優しかった原口先生。


信じられなかった用具倉庫での出来事。


そうなってしまった訳があるなら、知りたい、すごく。


すると、相楽先生はソファーに座り、あの頃の話をしてくれた。
< 250 / 548 >

この作品をシェア

pagetop