愛されることの奇跡、愛することの軌跡
ふたりで日本人学校に着任し、関係を学校側に隠すため同棲はせず、それでも近所に住んで休日にはデートを重ねていた。


ところが、そんな生活が1年半ほど過ぎたところで、少しずつ歯車が狂い始める。


それがさっきのいわゆる"勃たない"って話だ。


『お互い疲れてて、回数自体も減ってはいたけど、私も自信がなくなってしまったの』


女性としての自信。


原口先生に愛されているという自信。


それが脆くも崩れた。


『私、浮気されていると感じたの』


自信がなくなった相楽先生は、原口先生と夜を一緒に過ごすことも、さらにはデートをすることもなくなってしま
った。
< 252 / 548 >

この作品をシェア

pagetop