愛されることの奇跡、愛することの軌跡
健吾さんがバスルームから出てきた。


私と色違いの薄いブルーのバスローブ。


「このバスローブ、健吾さんが用意したの?」


『そうだよ』


健吾さんは真っ直ぐキッチンに向かうと、中から出してきたのはミネラルウォーター。


コップに注いで私の分も持ってきてくれた。


「健吾さんは、お酒は飲まないの?」


実は私、健吾さんのお酒飲んでる姿を見たことがない。


『飲むよ。でも玲奈と一緒の時は、ほとんど運転するから無理でしょ』


「なら、今は飲んでもいいんじゃない?」


だって、次に運転するのは明日。


これから寝るわけだし、飲んでも運転には響かないよ、ね。


『玲奈、俺は玲奈とのことを酒の勢いに頼りたくないんだ』
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