愛されることの奇跡、愛することの軌跡
ミネラルウォーターを一口飲むと、健吾さんは続けた。


『でも、今俺は大人としての余裕は一切なくて、玲奈という女の子のことが、ただただ大好きな、ただの男』


「健吾さん…」


健吾さんの手が、私の頬に触れる。


『俺、器用じゃないけど、受け止めて?俺の愛を』


そう言うとそのまま唇を重ねられた。


最初から完全に大人のキス。


私、多分全身で感じてる。


健吾さんの唇は私の唇を離れ、耳、耳の後ろ、首筋と触れる。


そして鎖骨の下に差し掛かった時、痛みを感じた。


『シルシ』


健吾さんは一言そう告げると、私を抱き上げ、ベッドルームに私の体を横たえた。
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