愛されることの奇跡、愛することの軌跡
テーブルに行くと、煮物、焼き魚、ハムエッグ、ごはんに味噌汁…


完璧な朝ごはんだ。


「うわぁ、さすがだね」


『誉められるのは嬉しいけど、俺がやったのは焼いて温めただけだよ』


「でも、早起きして準備するなんて偉いよぉ。私がやらなきゃならないのに」


私は煮物が美味しくてパクパク食べている。


『別にさ、どっちかがやらなきゃならないなんてことは、女性の出産以外には、ないんじゃないのかな』


健吾もハムをかじる。


『女性だから炊事をしなきゃならないとか、男性だから外で働けば家では何もしなくていいとか、それは違うと思う。俺は、互いを敬う気持ちがあれば、どっちがやるかなんて自然と伝わるものだと信じたいな』


「うん。その通りだと思う」
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