愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『それとさ、何か…女性としてキレイになったかな。艶があるって言うかさ』


「ちょ、ちょっと何言ってるのよ」


明け透けなのはアンタでしょ、と言ってやりたかったけど、陽平が店員を呼んじゃったから、やめた。


それぞれハンバーグセットとビーフシチューセットを注文。


「ちょっとさぁ、さっきから全然わかんないことばっかりなんだけど」


『玲奈が変わったことと、さっき演奏を全然聞いてなかったこと、原因は一緒でしょ?』


「はい?」


陽平は戸惑う私をニコニコして見ている。


『あー、お前をからかうの面白い。けどこれじゃぁ本題に入れないからネタバラシ』


そう言うと、陽平は急に真面目な顔になった。


『今日、コンクールを見に行くのを俺に玲奈を誘うように頼んだのも、終わった後玲奈を誘ってごはん食べるように指示したのも、全部先生』


「先生って?」
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