愛されることの奇跡、愛することの軌跡
*部活動
私は、吹奏楽部でバリトンサックス担当のイッちゃんとお弁当を食べた後、1週間後の新入生歓迎演奏会のための練習に入った。

例年、新入生に吹奏楽になじみやすいようにJ-popを中心に選曲し、活動紹介の一環で昨年のコンクールで演奏した曲を最後にやる。

今回は計5曲を演奏する予定だ。

部長でパーカッションの原くんが

『今日はパート練習だけだけど、練習入る前に新しい顧問が来て、挨拶したいそうだからみんな集まって』

そう、吹奏楽部の顧問は今まで田村先生。
つまりは4月からは代理顧問の先生が来る…

あ、来た…
え、ここも橋本先生?

まぁ、普通に考えてそうなんだろうけど…

吹奏楽部の顧問は指揮もしなきゃいけないし、経験者じゃないと無理なんじゃないの?
先生は経験あるのかなぁ

いつも合奏する時に集まる吹奏楽部A部室にいる私たち。

『これから1年間、顧問としてみんなと関わる、橋本といいます。練習の邪魔しちゃいけないから無駄な挨拶は抜き。明後日の合奏は見学させてもらうのでそのつもりで。でもすぐ向かいの準備室にいることが多いから何かあったら声掛けてくれ。以上』

先生は足早に部室を出た。
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