愛されることの奇跡、愛することの軌跡
*乗り込め!成瀬川家本邸へ!
健吾のお父さんと会う当日―


私は午前中は予備校で夏期講習を受けて、一旦家でお昼ご飯を食べた後、午後からは図書館で勉強し、時間に合わせて健吾が迎えに来てくれることになっている。


こんな緊張する日に、勉強したって頭に入るわけないじゃん。


午後、図書館にいた私は途中で勉強を諦め、図書館の本を物色していた。


目についたのが、恋愛小説。


手に取って、席に戻る。


内容は、


―主人公が恋した男性は実は血の繋がった兄だった。
けど、兄を愛することをやめられない。両想いにはなるけど、結局は結ばれず、兄は妹への想いを残しながら別の女性と結婚していった―


私、悲恋となる結末の小説を読んでしまった。


ハッピーエンドが良かったのに。


かえってブルーな気分になってしまった。
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