愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「私は幸いなことに、家族から愛情をいっぱい受けて育ちました。それは、小さい頃やニューヨークでは社宅暮らしで、今の家だってローンいっぱい抱えているし、さらに私がナルガク行ったばっかりに、生活に余裕ないですよ。でも、私は十分、幸せなんです」


お父さん、お母さん、陸。


家族は4人でも、たくさんの家族愛が満ち溢れているんだ。


「おこがましいかも知れませんが、私は健吾さんに、ありったけの愛情を注ごうと思っています。そのためには健吾さんの横にずっといたいし、もっと話を戻すと、やっぱり結婚話は"邪魔"なんです」


今まで、口数の少なかった健吾が、ここで口を開いた。


『俺は、この先一緒にいる女性は、玲奈以外に考えられないんだ。玲奈の夢は俺の夢。父さん、今回の結婚話は、なかったことにして欲しい。お願いだ』


「お願いします!」


ふたりで頭を下げた。
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