愛されることの奇跡、愛することの軌跡
部屋に入り、ドアを閉めて、私は健吾に


「ベッドに寝て?」


と言った。


驚く健吾に、


「勘違いしないで。膝枕してあげたい気分なの」


健吾は素直に従った。


「ごめんね、ビンタ痛かった?」


『うん。痛かったよ。心が』


健吾は仰向けに寝そべっている。


まだ目が赤い。


『俺みたいな人間が、玲奈の家族の一員のように思ってくれているのに、自分を隠すようなことをお父さんお母さんにしたから、申し訳なくて』


「もう、いいんじゃない?」


私は健吾の髪を撫でた。


「健吾にだって、愛情もらう資格はあるの。だから、素直に受け入れようよ。ようこそ、金澤家へ」


健吾は"アハハ"と笑った。
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