愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「そう言えば、"橋本"って、どこから来た名前なの?」


『"橋本"は、良美さんの旧姓なんだよ』


良美さん…実のお母さんのかつての名前を使っているのか。


「私、良美さんに感謝なんだ」


『どうして?』


「だって、苦しい環境の中、1人で健吾を産み、しばらくは1人で育てたわけでしょ?良美さんがいなければ、私達の出会いはないから」


私は、そんな気分だったので、健吾の頭を腕で持ち上げて、触れるだけのキスをした。


健吾も同じ気分だったみたいで、自分の体を起こすと今度は深いキスをしてくれた。


『玲奈、抱き締めさせて』


健吾がベッドの壁側に寄りかかり、私を横抱きに抱き締めた。
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