愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「もしもーし」
"あ、玲奈?明日の夜、カレの家ですき焼きパーティーするから空けておいてね"
「私に行くかどうか検討させる余地は与えない誘い方よね、相変わらず」
"どうせ勉強しているだけなんでしょ?なら別にいいじゃん。玲奈は東都やめて、内部進学に変えるんだろうから、余裕でしょ"

美郷は私のことを分かっていて信頼しているからこそのセリフだ。
でも、私にはひとつユウウツなことが…

「美郷たちのラブラブに私はお邪魔虫じゃん。イヤだよ、また3人なのは」

美郷にカレが出来て約1年。

私はしょっちゅう美郷カップルとこうやってごはんを食べている。

"そこは心配しないで。カレが今日は友達呼ぶんだって"

珍しい。
そんなの初めてだ。

だって、美郷たちは関係を周囲に明かせない仲だから。

"分かった。行くよ"と言って電話を切った後、近くにいた陸が、

『また、ごはん食べに行くの?行くのはあの人のとこでしょ?姉貴のとこの先生と付き合ってる友達』
「うん。すき焼きパーティーだって」
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