愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『俺、ヤキモチ焼きって言うか、玲奈を独り占めしたいんだよ』


「私は健吾のものだよ」


『だから、不機嫌になるのは男だけじゃない。女だって同じ。玲奈が友達とどこかに行くって言ったら、それが女友達であろうが、俺よりもそいつのために時間を割いていると言う状況に嫉妬』


この健吾の言葉に、昨日の実穂さんの"重いでしょ、健吾"と言う言葉が頭に浮かぶ。


『でもさ、俺も成長しなきゃ。今でさえ大して変わらないのに、すぐ玲奈に追い越される』


25歳の健吾を、追い抜くなんて、あり得ないけど。


でも私は近付きたい。


「うん」


私は大人な健吾にふさわしい言葉が見つからなかった。


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