愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『それはね…』


先輩には、好きな女性がいる、と。


元々自分が荒れる前から好きだった人。


だけど、その人は、別の男性が好きで、全く告白することが出来なかった。


そのまま、何年も月日は流れ、今年に入って、ナルガク高等部時代の同窓会で彼女と再会した。


聞けば、今お付き合いしている人はいない。


それだけを聞けばチャンスなのだが…自分は、今彼女に似合う男なのだろうか?


今まで散々遊び歩き、ホテルに就職したのだって、ナルガクにいたが故のコネみたいなもの。


「そんな井上さんが回り道しても一途に想い続けた女性かぁ。健吾も知ってる人?」


『さぁね。ナルガクで先輩の同級生の女子はいっぱいいるし』


スープやメインディッシュとかいろいろ料理が並ぶ。


『女の子って、人の恋バナ好きだよね』


「うん。好き好き。それで話盛り上がるよ」


『それで俺たちのこと勢い余ってバレないようにしないとね』
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