愛されることの奇跡、愛することの軌跡
以前、親友の美郷(ミサト)に、従兄のお兄ちゃんが好きと話したことがある。

美郷は

『従兄なら、法律上結婚できるんだし、がんばりなよ!』

と励まされた。

私だって頑張ったつもり。

かわいさアピール
女らしさアピール

…しかし、シン兄ちゃんは私を最後まで妹のようにしか扱ってくれなかった。

そりゃそうだよなぁ。
だって歳が7つ違う。

私が生まれた時のことを覚えてるって言ってた。

大人の男性だもんなぁ。

私になんてあの彼女さんに勝ち目ないよ…

でも、私にとって、シン兄ちゃんが全てだった。

「夢も希望もないよ…」

なんて独り言いながらため息をつく。

『お姫様、ため息つくと幸せが逃げますよ』

突然、頭上から声がした。
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