愛されることの奇跡、愛することの軌跡
夏休みに入る直前、大森から進路を東都から星恵に変更する旨の申し出があった。


理由が…大森らしいと言えばらしいけど。


「東都は建物が古くてイヤなんだって。花の女子大生を謳歌したいから、東都はやめるってさ」


『推薦?それともセンター試験は受けなきゃならないかな』


「うん。でも受験する教科は絞られるから、東都よりは勉強は大分楽だよ」


国公立は基本的に5教科全て受験しなければならないからね。


『あれから…ユウコちゃんに何か言われなかった?』


「2者面談の時のことか?特には言われないよ。玲奈こそ、何かあったんじゃないのか?」


実は、上杉から聞いていた。


玲奈が大森の取り巻きに中庭で昼休みに囲まれていたことを。


上杉が止めに入って事なきを得たが、それからも危なっかしくて休み時間も玲奈のそばを離れないようにしてる、と。


木内ひとりではあの他のクラスとの連合による取り巻きのパワーは抑えられず、上杉と、あと上杉のナルガクでの親友である入江と4人でいるらしい。
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