愛されることの奇跡、愛することの軌跡
*新学期のLHR
9月1日。


新学期の始まり。


『れーなー、久しぶり』


美郷が元気良く挨拶してきた。


美郷とはベビードールを受け取った日以来だ。


先日の登校日は、家族で旅行に行って欠席。


全く、呑気なもんだ。


始業式が終わり、教室に戻ると、すぐに健吾が入ってきたので


「起立!礼!着席!」


お決まりの挨拶。


健吾は、まぁあれから変わってないか、な。


でも、まともに見ると、何故か、照れる。


『さて、新学期最初のLHRは…久しぶりに何もないんだよな。だから、みんなの夏休みの出来事を話して貰う時間にするよ』


健吾は、真っ白な紙を全員に配った。


『この紙に、夏休みの思い出のキーワードをひとつ書いて欲しい。面白いと思ったものを採用して、ここで話してもらう。話すと言ってもかしこまる必要はないぞ。休み時間の延長程度で構わない。俺の先入観をなくすため、無記名でいいぞ』
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