愛されることの奇跡、愛することの軌跡
みんな、何か思い出あるんだろうな。


私は、健吾との思い出を話すわけにいかないし…


じゃぁ、これかな。


健吾が箱を持って回ってきたので、みんなそこに入れた。


教卓で、健吾が開封していると、突然教室のドアが乱暴に開かれた。


ドアを開けたのは、派手な格好をした厚化粧の女性。


『橋本先生、いらっしゃる?』


『お、お母様!』


健吾は、今叫んだユウコちゃんに一瞥し、女性に返事をした。


『橋本は、私ですが』


『どういうことなの?うちの娘に星恵の推薦状出さないって。うちの娘はね、通知票は4.6なのよ!申し分ない成績なのに、差別よこんなの!』


ユウコちゃん母はすごい剣幕だけど、健吾がそれに動じている雰囲気はない。
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