愛されることの奇跡、愛することの軌跡

そして実行委員会当日―


各学年学級委員1人ずつ。


計18名プラス顧問3名。


うわぁ、健吾いるし。


私は、当然クラスメートはいないので、吹奏楽部でトロンボーンだった2組のトムこと沼尻くんと一緒にいることにした。


何故"トム"かって？


名前が沼尻時夢(ヌマジリトキム)だから、略してトム。


他の学年に吹奏楽部員はいない。


部の発表があるため実行委員会の仕事と重複できないのだ。


だから今まで学級委員にならなかったのに…


やはり実行委員会の内容は、当日の役割決め。


私はトムと一緒に受付担当。


もうひと組と交代で務める。


これなら、前日の設営と、当日2日間拘束されるだけだ。


内部進学予定のトムにあとは丸投げするつもりだし。


『玲奈、お前俺に丸投げするつもりだろ』


と、トムにはお見通しだったけどね。


でもトムごめん。


私はどうしても東都に現役で入りたいの。


夢に近づきたいから。


ね？健吾。


何気なく健吾を見たら、目が合ってしまいお互いに笑ってしまいそうなのを何とか堪えた。