愛されることの奇跡、愛することの軌跡
恐る恐る近寄ってみると、やっぱり。


声がそうだと思った。


男性の声は健吾。


女の子の声がわからない。


上履きを見ると…2年生?


声が聞こえてくる。


『どうしても伝えたくて…橋本先生、私、先生のことが、好きです!』


うわっ、告白現場だ。


『きっと、ダメなことはわかってます。でも、どうしても気持ちを伝えたくて』


相手が健吾なだけに、ドキドキする。


『私じゃ、ダメですか?生徒だから、ダメですか?もしダメなら、新しい一歩が踏み出せる、私が納得する理由を教えてください』


結構必死な彼女の声。恋する女の子の情熱だよね。


…なんて余裕は私には、ない。
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