愛されることの奇跡、愛することの軌跡
健吾の車で送ってもらう時、学習したのは…私が制服の時には、後部座席に乗ること。


後ろならスモークがかかって見えないから。


寂しいけど、今はこうするしかない。


何か、この距離が微妙に寂しくて、何か健吾に話かけずにはいられなかった。


「さっきの、応援してくれる人の話だけどさ」


『ん?』


「その中に、実穂さんを加えてもらえると嬉しいかな」


『実穂?何で突然その名前が登場するんだ?』


「実は…」


私は前に偶然花屋で働く実穂さんと会って、喫茶店でお茶をした時のことを、この時初めて健吾に話した。


『そうか…』


車は、右に曲がるランプの音がチカチカ光って音がする。
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