愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『実穂とまともに話したの、もう思い出せないくらい前の話だ。そりゃそうだよな。あんなヤツでも、人として変化や成長はあるんだもんな。でもさ』


車は右に曲がり、さらに大きな国道を直進する。


『あえて、俺は口出しはしないよ。実穂は今更、俺達兄弟に頼ろうとは思ってないだろ』


「でも…冷たくない?」


『安心しろ。玲奈を悲しませるような実穂との接し方は、絶対しないし、それに…』


「それに?」


『ひとつ、恋の花咲く予感?みたいな』


「え?」


健吾の言葉の意味が、私には理解出来なかった。
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