愛されることの奇跡、愛することの軌跡
＊受験・ラストスパート
年明け。


受験生に正月はない。


ただ、神頼みで学問の神様が祀られてる神社に初詣に行くことにした。


健吾と行きたかったけど、一緒のところを見られたらマズいので、家族で出掛けて。


お昼になって、健吾が家に直接来てくれた。


成瀬川家のお正月はここ数年はお父様に挨拶して終了らしく。


実穂さんは正月の挨拶ののち、そのまま友人とスノーボードに出掛けてしまい、


剛先輩は彼女と年末から旅行に行って、そもそも日本にいない。


まだ会ったことのない長兄の亮輔さんと結婚したばかりの奥様が残るだけらしい。


うちは、家族4人がまだバラバラな正月を過ごしたことがないからピンと来ないなぁ。


『あと、センター試験まで３週間切ったのね』


お母さんが健吾にお雑煮を置きながら言った。


『１日何時間くらい勉強してるの？』


健吾がお母さんに"ありがとうございます"と伝えてから、私に聞いてきた。


「10時間かな？でも徐々に減らしていって、直前は体調管理を優先するつもり」
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