愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『さて、俺の存在がこれからの時間について邪魔か邪魔じゃないかのジャッジをしていただいてもいいですか?先生』


背後から陽平の声がした。


『そうだな。2時間だけ邪魔じゃない。それ以降は邪魔』


『何ですか、それ』


陽平は笑った。


『つまりは、少しお前も付き合えってことだ、行くぞ』


健吾が連れてきてくれたのは、古い喫茶店。


掛け時計からチクタク音がする。


マスターは白髪、白髭のおじいさん


『上杉、お前は何飲む?』


『じゃぁ、カプチーノで』


『マスター、カプチーノ1つとジャスミンティー2つ』


え?


こんなお店でジャスミンティー?


『はい、かしこまりました』


静かに返事をするマスター。


『この店の隠れメニューなんだ。俺、学生の頃によくここで飲んでたんだよ。俺がジャスミンティーが好きになったのは、この店がきっかけ』


健吾のルーツを、ひとつ知ることが出来たのが嬉しい。
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