愛されることの奇跡、愛することの軌跡
☆―――☆
式は、厳かに進行した。
ひとりひとり、卒業証書を受け取るため、名前が呼ばれる。
2組のテッちゃんが終わり、3組の健吾の番。
『3年3組、青木太郎、入江潤一、上杉陽平…』
健吾の滑舌の良い声がマイクを通して響く。
『大森優子』
"はい"
ちょっと緊張する。
『金澤玲奈』
「はい!」
返事だけはきちんとしようと思った。
健吾が担任の立場で私を呼ぶことは、もうないから。
できれば今、私の名前を呼んだ声を録音したかったくらい。
学院長から卒業証書を受け取って。私は卒業することを実感する。
『以上3年3組、男子18名、女子17名、計35名』
健吾は学院長にお辞儀をして、スタンドマイクから離れた。
送辞、答辞、卒業の歌の合唱。
みんな、実感が沸いてきたのか、退場する頃にはすすり泣く音が多く聞こえるようになった。
式は、厳かに進行した。
ひとりひとり、卒業証書を受け取るため、名前が呼ばれる。
2組のテッちゃんが終わり、3組の健吾の番。
『3年3組、青木太郎、入江潤一、上杉陽平…』
健吾の滑舌の良い声がマイクを通して響く。
『大森優子』
"はい"
ちょっと緊張する。
『金澤玲奈』
「はい!」
返事だけはきちんとしようと思った。
健吾が担任の立場で私を呼ぶことは、もうないから。
できれば今、私の名前を呼んだ声を録音したかったくらい。
学院長から卒業証書を受け取って。私は卒業することを実感する。
『以上3年3組、男子18名、女子17名、計35名』
健吾は学院長にお辞儀をして、スタンドマイクから離れた。
送辞、答辞、卒業の歌の合唱。
みんな、実感が沸いてきたのか、退場する頃にはすすり泣く音が多く聞こえるようになった。