愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『ごめんな、自分の話ばっかりで。俺の自己満足に付き合ってくれてどうもありがとう。次までには、上杉と金澤の結果も分かっているはずだから。良い結果で最後のLHRを迎えられることを願うよ』


健吾はそう言うと誰を見るわけでもなく微笑んだ。


『じゃ、卒業アルバム配るぞ。あと証書を入れるケースも配るから一緒に取りに来い、はい、青木…入江…』


私は、やりたい夢を掴んだのに、それを手放さなければならない健吾のやり切れない思いを、強く感じていた。
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