愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『なぁ、上杉。何でお前は彼氏でもないのに金澤のそばにいるんだ?』
陽平は一歩前に出ていた私の横に立った。
『玲奈の彼氏の思いを知っているから。俺が自分の彼女を大事に思うのと同じように、玲奈の彼氏は玲奈のことをとても大切にしているから。俺はその彼氏の想いの、手伝いをしているまでさ』
穏やかに淀みなく話す陽平の今の姿を、このみちゃんに見せてあげたいと思った。
『分かったよ。俺はまだ、その"奇跡の出会い"を経験できてないし、その相手は金澤ではないと言うことがよく分かった。金澤、俺はお前の笑顔が好きだったよ。彼氏に、大事にしてもらえよ』
そう言うと三浦くんは、会場のドアからゆっくり去っていった。
散会した会場から段々人がいなくなる…
『おい、上杉、金澤、楽器片付けろよ』
先程の出来事を、全部聞いていたはずの健吾。
他人事のように私達を呼んだ。
でも、私には聞こえた。
陽平に耳打ちした健吾の
"ありがとうな"
という声が。
陽平は一歩前に出ていた私の横に立った。
『玲奈の彼氏の思いを知っているから。俺が自分の彼女を大事に思うのと同じように、玲奈の彼氏は玲奈のことをとても大切にしているから。俺はその彼氏の想いの、手伝いをしているまでさ』
穏やかに淀みなく話す陽平の今の姿を、このみちゃんに見せてあげたいと思った。
『分かったよ。俺はまだ、その"奇跡の出会い"を経験できてないし、その相手は金澤ではないと言うことがよく分かった。金澤、俺はお前の笑顔が好きだったよ。彼氏に、大事にしてもらえよ』
そう言うと三浦くんは、会場のドアからゆっくり去っていった。
散会した会場から段々人がいなくなる…
『おい、上杉、金澤、楽器片付けろよ』
先程の出来事を、全部聞いていたはずの健吾。
他人事のように私達を呼んだ。
でも、私には聞こえた。
陽平に耳打ちした健吾の
"ありがとうな"
という声が。