愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「先輩、サキコ先輩は呼ばないんですか?」


そう。


剛先輩とサキコ先輩は私達の学年でも有名なカップルだった。


サキコ先輩はフルートを吹く可憐なお嬢様。


『あ、えっと、別れた』


「え?!それは大ニュースですよ!」


私はびっくりして大きな声を出してしまった。


『どうした?』


お父様が聞く。


『いや、彼女と、別れた話』


『別れた原因はどうあれ、剛のヤンチャが過ぎたんじゃないの?』


亮輔さんがイヤミな口調で剛先輩に詰問する。


『それは、認めるとこ、ろ?』


「サキコ先輩が可哀想です」
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