愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「先輩、そんなことまでバラしたの?」


でも、これは事実。


札幌で教師になってから、さすがに夜遊びはせず、現地で一時的に通っていた英会話教室で知り合った銀行勤務の女性と付き合っていた。


まぁ、これは玲奈に言ってないけどね。


あえて言うことじゃないと思ったから。


でも、別に激しく彼女が好きだったかと言えば…そうでもなくて。


札幌に友達がいない俺の遊び相手。


だったけど、結局振られた。


何故なら、あの文化祭で玲奈に一目惚れしてから、玲奈のことで頭がいっぱいになり、その子に全く欲情しなくなってしまった。


抱くことができなければ、そりゃ、彼女も逃げていくよね…


念のため、東京に帰ってきた時に夜の街で以前と同じように一夜のアバンチュールを繰り広げようとしてみたけど、全く役に立たなかった。


俺、どうしちゃったんだろう…


だから、玲奈と安曇野で初めて愛し合った時、同じことが起こるのではないかと不安だった。


ところが、不安どころか、俺自信もコントロールできなくなるくらいの体の反応ぶりで。


俺の体は、玲奈にしか反応しないんだと実感した。
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