愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『とにかく』


実穂は姿勢を正し、お腹を擦った。


『今は頑張ってこの子を守る。ようやくお父さんにも認めてもらったし、ライちゃんの赤ちゃんがこの中にいるなんて信じられない』


実穂は今まででいちばん穏やかで、幸せそうな顔をしている。


人には、それぞれ愛し方はあるだろうけど、俺はずっと玲奈の側にいて、彼女の成長を見守りたい。


改めて強く感じさせられた、実穂によって。


玲奈。


お前の言う通りだったよ。


実穂は間違いなく、俺達にとって応援してくれそうな強力な味方だ。


何だか、実穂から生まれてくる子供の顔を見るのが、俺まで楽しみになってきた。


帰りの車の中で、秋が待ち遠しいと感じていた俺だった。
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