愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『今日4月1日、18歳の誕生日、おめでとう』


『あ、ありがとうございます…』


教室内では口々に"おめでとう"の声と拍手が広がる。


そう、今日は美郷の誕生日。


1日違えば私達は学年が1つ違ったんだ。


美郷は自分の誕生日が嫌いと言っていたけど、こんな祝われ方なら、悪くないよね。


『まぁ、この後"カレ"にたっぷり、祝ってもらってください』


私は思わず美郷を見るため振り返った。美郷は顔が真っ赤だ。


だってその"カレ"はすぐ横にいるんだもの。


でもテッちゃんを見ると、涼しい顔。


こういうところが大人のイヤな所なんだよなぁ。


『と、言うわけで、今日1つ目のテーマ』


という健吾の声で、私は正面を向いた。
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