愛されることの奇跡、愛することの軌跡
みんな、トイレに行ったり今のLHRの感想を言ったり。


テッちゃんが教室に残っていた。


『今の先生の授業、どうだった?』


美郷はあくまで"徳重先生"としての接し方。


『前半はおまけでしょ。山場はこれからじゃない?』


私もそう思う。後半は、私の話をされるんだから。

休憩が終わり、健吾は紙袋を手に教室へ入ってきた。


『席につけ~』


健吾の声に全員が着席する。


『では、この時間が本当のオーラスLHRだ。俺が最後のテーマに選んだのは…』


どうしよう。ちょっと緊張している私。


だってこの時間の健吾の言葉の節々に、きっと私に向けたものがあるのだから。


健吾が黒板に書いたのは、


"感謝"だった。
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