愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『改めて、今まで話してきた"一目惚れの彼女"とは、今、起立した、金澤玲奈、その人だ』

教室内がざわつく。


三浦くんは


『マジかよ』


と呟いていた。


『1年近く、結局隠れて付き合う結果になった。みんな、ごめん』


私も


「ごめんなさい」


と頭を下げた。


『金澤と付き合ってみて、最初は、もちろん外見での一目惚れだったけど、内面も魅力的なことが、よく分かった』


健吾は私をじっと見た。


『自分の夢を叶えようとする努力を惜しまない頑張り屋なところ、自分より人のことを優先する思いやりの心、あと、俺を純粋に愛せる気持ち』


健吾は一言一言、ゆっくり話す。


『俺はそんな玲奈の人間性をものすごく尊敬するし、それに…愛する気持ちを再び教えてくれたことに感謝したい』


どうしよう。私、涙で健吾がよく見えない。
< 539 / 548 >

この作品をシェア

pagetop