愛されることの奇跡、愛することの軌跡
暫く、沈黙が続いた。

車が学校の校門を出て、すぐの信号を左に曲がったところで、先生の口が開いた。

『その成瀬川の話、みんなには内緒でお願いな』
「分かってます。先生が"橋本"と名乗られてる時点で、隠したい意図は分かりましたし」
『金澤って、もの分かりが良すぎ』

"アハハ"と先生は笑った。

『だからかな?』
「何がですか?」
『君から高校3年生の雰囲気を感じない。もっと精神年齢が大人な気がする』
「えー?本当ですか?」

私、ただの女子高生ですよ。
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