愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「あ、あの…」
『何でそんなに辛いのに今日来たの?』
「従兄なの」

私だって行きたくなかったよ。でも、お母さんに無理矢理…

『従兄のお兄さんに恋するが、妹のように扱われて女として見てもらえなかった。三流恋愛小説にならよく登場しそうなシチュエーションだな』
「なんで、分かったの?」

このお兄さん、今出会ったばっかりだけどなんでこんなに私のことが分かるの?

『君、歳いくつ?』

私が座る椅子のテーブルを挟んだ向かい合わせの椅子に着席しながらその人は尋ねた。

「17歳。来月から高校3年」
『ふぅん。なら尚更だな』
「何が?」

いつの間にか涙が止まった私は、その意味が分からず首を捻る。
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