愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『俺は、教師の前に1人の男。美郷との出会いは、まぁ禁断なものかも知れないけど、それでも1年半頑張った。あと1年、頑張って、美郷と街中を堂々と歩くのが夢』
『出会いが教師と生徒という、たまたま禁断のものだっただけなの』

『…なぁ、金澤、この二人はいつもこんなバカップルなのか?』
「いつもこんな感じだね」
『俺、今日金澤いてよかったと心底思ったよ』
「私の苦労を分かってもらえて嬉しいです」
『コラ、玲奈っち、健吾に敬語は必要なし!ほら、みんな野菜も食べてね』

テッちゃん、テンション高いなぁ。

そんなテッちゃんを、橋本先生は微笑みを浮かべて見つめていた。

『あ、そうだ、橋本先生』

美郷が橋本先生を見た。

『先生はいらないよ』

橋本先生、意外だな。そんなこと言うの。

『じゃぁ、健吾さん。健吾さんの知るテツの秘密を教えてよ』
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