愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『さっき君は"夢も希望もない"って言っただろ?17、8でそんなの決めつけるなよ』

彼は私の顔を覗きこんで諭すように言う。

『君はまだやりたいことが見つかってないだけだ。従兄は結婚した。切り替えて、その夢や希望を探した方がいい』

そんな、簡単には切り替えられないよ。

「む、無理だよ」

さらにうつむく私。

『君は恋する自分に恋していただけだ。夢や希望もそうだけど、必ず新しい恋にめぐり逢えるよ。その従兄だって、可愛がってもらえてたんだろ?なら、好きな人の幸せを願えるいい女を目指さなきゃ』
「何でそんな私に説教するの?」

新しい恋に必ず巡り逢えるなんて、そんな保証はない。

『君はその従兄を追いかけているせいで見ている視野が狭いだろうから、もっともっとこれから先色んな経験が出来るはずだ』

諭すような口調は、割りと言い慣れてるような気がする。

『あ、これでも俺、小学校の先生やっているんだよ』
「そうなの?」

こんなイケメン先生、小学校でも人気あるだろうな。
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