愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『やっぱり、君は大人だよ、玲奈』

レナ…今まで呼ばれた中で一番心地いいかも。

『玲奈は今、自分は子供だと言ったけど、俺は、玲奈のことを一度も子供だと思ったことはないよ』

健吾さんはそう言うと私と手を繋いだまま、おでこにゆっくりキスしてくれた。

私、今とてつもなく顔が赤くなっていると思う。

『あ、ヤバい、10時になるぞ。せっかくいいところだったのにな』

健吾さんは腕時計を見ながら言う。

「大丈夫だよ。テッちゃん家から帰るときは大体このくらいだよ」
『うん。でもそろそろ帰ろう。でも、1本だけ電話かけていい?』

健吾さんはそう言うと携帯を耳に当てた。
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