愛されることの奇跡、愛することの軌跡
『あ、俺。玲奈ときは話し込んじゃって今から送るから、もし玲奈のお母さんから連絡あったら口裏合わせといて…何だよ、随分な自信だな…俺も早いとこそうなれるように頑張るよ。じゃぁな』

健吾さんは電話を終えたみたいで2つ折りの携帯を閉じた。

「玲奈って…誰に電話をかけたの?」
『テツだよ。あいつは今さっき俺が玲奈に話したこと、全て知ってる』

健吾さんはエンジンをかけながら言った。

「そうなの?テッちゃんに何か言われてたね」

私はテッちゃんが健吾さんの私に対する気持ちを知りながら今日すき焼きパーティーをしてくれていたことに、感謝の気持ちだったり、恥ずかしかったり…

『テツはな、"玲奈っちのお母さんに俺、信用されてるから問題ないよ"だってさ。何か複雑だよな』

先生が笑った。
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