愛されることの奇跡、愛することの軌跡
「あ、あのね、テッちゃんが用意してくれたすき焼きのお肉が最高だったの。それに大満足。お肉パワー炸裂!」
『変なコだね。ま、言いたくなったら言いなさい。お風呂入ったら?』
「はぁい」

"言いたくなったら"か・・・
やっぱり、お母さんに嘘をつくのは100年早いのかなぁ。

100年だとお母さんどころか、私ももう死んじゃってるか、なんて思いながら、私はお風呂で健吾さんのことを考えていた。

今頃、おうちついたかなぁ…
お風呂入ってるのかなぁ…

お金持ちだろうからひろーいベッドで毎日寝てるのかなぁ…

私、健吾さんのことを何も知らないなぁ。

剛先輩という弟がいて、確かお兄さんもお姉さんもいるから4きょうだいの3番目。

お母さんが病気だって言ってたっけ。
< 95 / 548 >

この作品をシェア

pagetop