大嫌いなアンタに惚れるなんて ありえない
ワークを開いて勉強を始めたのはいいんだけど、
なんでこんなに距離が近いの?
なぜか隣。肩が当たる距離。
「優夜、距離近い。暑いから、ちょっと離れて。」
「嫌だ。俺はこの距離がいいんだよ。」
「あっそ。」
言い返しても無駄な気がするから、
言い返すのはやめる。
そして、再びワークに目を向ける。
「茉梨、これ終わったら外行こ。」
「いいよ。」
ワークから目を離さず、そう答える。
「よっしゃっ。」
優夜はそれからしばらく喋らなかった。