大嫌いなアンタに惚れるなんて ありえない
「で、お前、どうすんの?
消えてくれる?それとも…消えない?」
「消えるわけないだろ。
茉梨を迎えに来たんだから…。」
「新垣はそんなの望んでない。」
「そうなのか?茉梨。」
私はこくんと頷く。
「そっかぁ。
じゃあ、無理矢理にでも連れていく。」
「西科、黙ってるのは無理。ごめん。
直哉くん。いい加減にして。」
「おっ、一緒に来る気になったか?」
そういって腕を掴んでくる。
「そんなわけないでしょ。
西科、これ、持ってて。」
そういって、掴まれてない方の手で、
めがねを手渡す。
西科に迷惑かけるわけにはいかない。