大嫌いなアンタに惚れるなんて ありえない
「あ、めがね、かして。」
「ああ。」
めがねを受けとる。
これがないと見えないもん。
「お前、ほんとに強いな。」
「武術習ってたからね。」
「そっか。
でも、やっぱり怖かったみたいだな。
相当、震えてるぞ、今もな。」
「傷つけたくはなかった…。」
「ん?」
「本当は、誰も傷つけたくなかった。
直哉くんだって。
西科だって。」
「俺?
お前に、傷つけられたっけ?」
「入学式ん時。
ほんとはあんなことしたくなかった。」
「フッ。別にいいよ。
俺も悪かったんだしさ。」