マネージャー(仮)
ぬくるめくハッピーライフを期待して
私はゆっくりと顔をあげた
「「…………」」
しばしの沈黙。
ナンパしてきた男は
中性的でかなり整った顔立ちをしていた
いわゆるイケメンってヤツね
切れ長の二重の目は
私を見た瞬間
みるみるうちに曇り、
眉毛は異常な程につり上がった
「お…、まえ」
薄い唇から洩れた言葉は驚く程、震えていた
あれ?
なんか見たことあるんだな~、このイケメン君。
おぉ、何故だか冷や汗が止まらない。
イケメン君の後ろにいる
お友達らしき男二人は
「え?知り合い?」とイケメン君に問い詰めている
しかし、イケメン君には
聞こえていないようで。
「おま、お前……は
昨日、俺の股間蹴りやがった奴だッッ!!!!
」
ちょ、オイ
公共の場でそんな言葉はやめたまえ。
イケメン君は私をものすごい形相で睨んだ
冷や汗が相変わらず止まらないのは
それが真実だから、だと思う。