マネージャー(仮)
「なぁ~、ハル
お前、この子と知り合いなのか?」
ハルと呼ばれたイケメン君は私から一度目を離し、
片割れを見た
ありがとう、片割れ君
これで少し恐怖から解放される
「この女……
俺の裸、見たんだよ」
怪訝そうに顔をしかめる
その顔まで、イケメンだなんて
君はどれだけ恵まれているんだ。
「はっ?!ナニソレッ」
片割れ二人は大袈裟に吹くと笑いだした
「そして、一方的に叫んで
股間蹴られた……」
イケメン君は
思い出したのか顔を歪ませ
今にも泣きそうになっている
「ご、ごめんなさい」
私は謝った
ほんと、素直に謝った
必死に頭を下げた
なんなら、土下座してやろうかって勢いで
「お前、まじで何?
俺好みの清楚系な髪型してうつむきやがって
間違えて、声かけてもーた
ほんと、最悪」
あ、イケメン君
清楚系好みなんだ
メモメモ……じゃなくて!!
「声かけてしまったのは
関係ないでしょ~?
この髪型は今日の撮影で使うのッ!!」
なぜかムキになって叫ぶ
ポカーーン
そんな効果音がピッタリのお顔で
イケメン君は私を見つめていた