ロッシュの限界
佐藤がサボる時に選ぶ場所は様々だ。
例えば屋上だったり、保健室だったり、空き教室だったり、非常階段の一番上だったり。
多分その時の彼の気分によって、ランダムに。
方やその佐藤を探す役割のあたし。
いつも特に考えることもなく、なんとなくで佐藤を探す。
今日は屋上かな?とか、中庭に居そうな気がする。とか。
特に何も考えてないんだけど。
それでもあたしは的確に佐藤を見つけることが出来た。
いつもいつも当たり前にして来たことだったけれど、長い間それが不思議だった。
あたしがいく先に、まるで待ってるみたいに、佐藤が居るから。
全然面白くない隠れんぼみたいで。
「なんで?」
今度はあたしが問いかける。
ずっと気になっていた疑問の答えを探して。