女タラシの幼馴染に片想い!完
「桜 杏珠でしょ?」
「‥‥‥は?」
いきなり私の横にどかりと腰を下ろしたそいつは、サラサラの黒髪を揺らして、私の顔を覗き込んできた。
「なんで、名前知ってるの?」
警戒心バリバリでそう聞いたのに、
「え?知らない方がおかしくない?」
なにいってんの?馬鹿じゃん?的な顔でそう返された。
「‥‥‥えと、」
「折原 聖夜よろしくー!あ、ちなみに杏珠と一緒の2年だぞ」
いやいやいやいや、そうでなくて。
てかさりげなく呼び捨てされてるし!
「や、あのですね折原く、」
「聖夜」
「‥‥‥は?」
「だからー、聖夜だって!折原とかやめて。聖夜にして」
‥‥‥なんなのこのひと。
爽やかな笑顔を浮かべてそう言われるもんだから、もう聖夜でいいわ。なんて思ったりして。
「聖夜は、なんで私のこと知ってるの?知らない方がおかしいなんて意味わかんない」
嵐みたいに騒がしい聖夜に、若干戸惑いながらも、そう尋ねた。