女タラシの幼馴染に片想い!完
「‥‥‥っ、」
「あら、気付いた?」
気づけば、そこは保健室みたいで。
目を覚ました私の顔を、保険医の神崎先生が覗き込んでいた。
「‥‥‥あの、なんで私‥‥‥」
「あら?覚えてないの?あなた倒れたのよ」
え?
痛む頭をおさえ、思い出す。
ああ‥‥‥。そうだ。
私‥‥‥、緋色に彼女ができたって聞いて‥‥‥。
「さっきまであなたを運んでくれた花咲さんと、横井君がいてくれたんだけどね、授業があるから戻りなさいって説得したのよ」
エリカとヒロくん‥‥‥。
そっか、心配かけちゃったな‥‥‥。
「あの、先生、私戻ります‥‥‥」
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保健室を出て、漠然と考える。
私‥‥‥、緋色のソバにいても大丈夫なのかな‥‥‥。
彼女ができたなら、離れた方が‥‥‥。
いや、そんなの何かおかしいよね?
なんか私、めっちゃ意識してるみたいじゃん。
そこまで考えて、考えるのをやめた。
「はあ。なにをごちゃごちゃ悩んでるんだか。いつも通りが一番よ」
気の抜けた身体を叩き起こすように、気合をいれる。
大丈夫。私なら大丈夫。
こんなこといつかは訪れることって分かってたじゃない。
いつまでもクヨクヨしてらんない。