女タラシの幼馴染に片想い!完
そしてそのまま、近づいてきた二人は、
「何してんの」
今まで聞いたことない位低い声で、私達にたずねてきた。
「あ、え‥‥‥なにって‥‥‥別になにも?」
「ふーん」
な、なんでそんなに不機嫌なわけ?
てか聖夜離れてよ!!
いつまでたっても離れない聖夜の腕の中から、身をよじって抜け出した。
「‥‥‥‥‥‥それ、なに」
え?
緋色の目線を辿れば、私の腕の中。
お弁当に視線は注がれていた。
「お弁当‥‥‥」
私のお弁当と、すこし大きい緋色のお弁当。
全く無表情の緋色の顔は、整っているせいか、人形みたいで怖く感じる。
「ふうん。
エレナ」
気まずい空気の中、緋色が彼女の名前を呼んだ。